主 な 慣 用 語 と 解 釈


 筆跡鑑定書を作成するに際して、様々な単語を必要とするものですが、単語自体は日常よく出会う言葉が多くあります。それぞれの慣用語としては下記のような単語があります。

結構 けっこう 漢字や仮名等文字を表現する際の「作り方」や「構え方」
筆速 ひっそく 筆具を運ぶ速度
筆圧 ひつあつ 文字を書く際に筆記具の筆先が筆記用紙に加わる圧力
へん 漢字の左側にある部分
つくり 漢字の偏に対して、その右にそえてある部分
かんむり 漢字の上部に被せる部分。くさ冠、たけ冠、う冠その他
たれ 漢字の左側に書かれる、に垂、さん垂等
にょう 漢字の左側に書かれる、しんにょう、等
かまえ 文字の組立や構造
くつ 漢字の下部に書かれる「喜」字等の「口」の部分や、
「呈」字等の「王」の部分等
きゃく 漢字の下部に書かれる「貝」字等の「ハ」の部分や、
「見」字等の「儿」の部分等
起筆 きひつ 筆記具の筆先をつけた字の書き初め「又は始筆」
終筆 しゅうひつ 画の書き終わり。1点1画の押さえや跳ねの終わり。
「収筆」同じ。
送筆 そうひつ 起筆と終筆までの画
運筆 うんぴつ 筆具の使い方、運び方。筆使い。
筆順 ひつじゅん 画の書き表し方の順序
間架結構 かんかけっこう 字を組立る組合せの間の開け方。つり合いよく形を
創る方法。筆具の動かし方。「筆法」
筆意 ひつい 文字に対する筆具を使用する心構え。
筆勢 ひっせい 書、画に現れた筆の勢い。「筆力」
筆脈 ひつみゃく 筆具を運ぶ折りの文字の組立から次の組立への筆具の
つながり。
転折 てんせつ 横から縦に、縦から横に曲がる曲がり角
布置取り ふちどり 配りならべること。配置。字配りのこと。
緩急 かんきゅう 緩やかなことと厳しいこと。
抑揚 よくよう 文章等の書き具合の調子を上げ下げすること。
アクセント。
緩急抑揚 かんきゅうよくよう 筆具の運び方がゆっくりと又速く、どっしりと又軽くして
執筆すること。
折木 おれぎ 何処が始まりで何処が終わりなのかはっきりしない画の
入り組んだ文字
字間 じかん 文字と文字の間隔
行間 ぎょうかん 行と行の間隔
楷書 かいしょ 1画1画を崩さずにそのまま丁寧に執筆すること。
(立つが如し)「真筆」
行書 ぎょうしょ 定められた方法で本来の文字の形態を壊さずに執筆すること。 (歩むが如し)
草書 そうしょ 定められた方法で本来の文字の形態を崩して執筆すること。
(走るが如し)
連綿 れんめん 続け書き。
連綿体 れんめんたい 文字と文字が続けて書かれたもの。
模書 もしょ 手本を下敷きにして文字を写して書くこと。
暗筆 あんぴつ 手本なしで書くこと。「暗書」
臨書 りんしょ 手本を見て文字を書き写すこと。手本を見ながら文字を書く
こと。
背臨 はいりん 手本をよく見て、書くときは手本を見ないで書くこと。
字運 じうん 自分の力で文字を書くこと。
偽筆 ぎひつ 自分の文字の慣性に従った形態を偽って書かれた文字
衍字 えんじ 誤って同じ文字を重複して書くこと。
行脚 ぎょうかく 行の下端「行頭」の反対
界線 かいせん 料紙の罫のこと。
空画 くうかく 穂先が紙面を離れた運筆「実画の反対語」
実画 じつかく 実際の画として表現されたもの。「空画の反対語」
波状線 はじょうせん 画に震えの状況がある状態
遅筆 ちひつ ゆっくりとした運筆
筆圧痕 ひつあつこん 料紙の表面に執筆された文字結構の痕が料紙の裏面に
現われる様
線突出 せんとっしつ 上下に異常に線画を突出させる。
旋回線 せんかいせん 例えば「の」字の如くの運筆状態
単体 たんたい 仮名も漢字も1字1字等
筆致 ひっち 筆跡
気宇 きう 偏と旁の間の空間(一般に気宇を広めに執筆する者は心も
懐も広く金運ありとされる。)
強連綿 きょうれんめん 繋ぎの部分の運筆が画と同様な太さや筆圧で表現されている様
接筆 せっぴつ 画と画の接触する状況(接筆開、接筆閉など)
接筆交叉 せっぴつこうさ 不必要に他の画と画が交叉接触する表現状態
止め とめ 終筆まで同じ様な筆圧で運筆し、そのまま終筆された表現
溜め ため 筆圧を加えて運筆を終了させる。
収筆 しゅうひつ 「起筆」の反対語
韜晦 とうかい 姿を晦ますことの意から「自分の筆跡を隠す」の意、
「偽筆に同」
角勢 かくせい 転折部等が角ばって表現される様「角性」に同じ。
曲勢 きょくせい 転折部等が丸味を帯びて表現される様「曲性」に同じ。


日本文化科学振興会
「 比較筆跡鑑定研究所 」


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